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スバル車に宿る、負けず嫌いの反骨精神

先日の記事の続きになります。面白いのでまた全文クリップ。

あの時のあの社長と比べると、吉永社長はリアリストですね。上に立つ方はこうでなくては、会社が傾きます。様々な数字、そして数字にならない自らがひっぱる会社の価値をしっかりと俯瞰されていらっしゃると思います。

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スバル車に宿る、負けず嫌いの反骨精神

20150107

「スバル」ブランドが米国の自動車市場で驚異の成長ぶりを見せている。富士重工業の吉永泰之社長は、「1つの商品を磨きに磨く」ことで個性を強めることを徹底している(関連記事「僕たちは死ぬまでレガシィを磨き続ける」)。
ただ、”売れすぎ”ゆえの悩みはいっこうに尽きそうもない。スバルにとって最大の市場である米国でいかにブランドの地位を高めていくのか。そして出資を受けているトヨタ自動車との関係は?吉永社長が率直に語った。

――2014年夏に米国で発売したSUV(スポーツ多目的車)の「アウトバック」とセダンの「レガシィ」が好調です。スバルはSUVに特徴がありますが、米国では「スバル=セダン」というイメージも強いのでしょうか。

それはまったくないと思う。ただ、セダンが売れ始めているのはとてもうれしい。今まで「セダンを売れ」と言ったことはほとんどない。営業現場のオーソドックスな人たちからすれば、「車の保守本流であるセダンに力を入れろ」というのは日本でもよく出る話。

私は営業出身だが、セダンを売るのが一番難しい。それを買う人の多くは、車に強い興味を持たない人たちだから。「車がないと不便だから買う」という層で、周囲に「なんでそんなに変わった車を買ったの?」と言われないように、皆が知っている普通の車が欲しい。そして、彼らの購入の動機として最も重要なのがディーラーの近さだ。

スバルの場合、これらのすべてにおいて不利。米国では店の数が少ないから基本的に(ユーザーから)遠い。車はアフターサービスが大事だが、遠くまで行かなければならない。そうしたことを乗り越えてでも「買いに行きたい」という車を造ることができれば勝てるチャンスがあると、元々考えている。

セダン市場で”化けたら”・・・

――不利な条件を乗り越える魅力をスバルに感じる顧客が増えてきたと。

ブランドの魅力が増してきたら、遠くても買いに来てくれる。セダンが売れるかどうかは「スバルのセダンだったら遠くても買いに行きたいな」となるかどうか。今起きているのがそういうことであれば嬉しい。

レガシィセダンの販売台数は13年の倍になっている。ただ米国工場の生産能力に制限があるので、ここでも供給がネックになる。他社が毎月何万台と販売しているように、セダンの市場は分母が非常に大きい。ここで化けたら、今のような需給の逼迫はより深刻になる。(分母の小さい)SUVのカテゴリーで売れるのと、増え方の規模が違う。造り切れない。

――やはり生産能力の問題がついて回ります。

14年夏に発売した新型レガシィとアウトバックに合わせて、米国工場の能力を年間17万台から20万台に増やした。これで月産能力は1万6000台強。米国では生産しているのはこの2車種だけなので、これくらいは売れるという構えで投資を決心した。ただ実際の月販台数はレガシィが6700台、アウトバックが1万2500台(いずれも2014年10月)。全然足りない。またまた、ここまで行くとは思わなかったという話になる。

レガシィとアウトバックは日本で米国仕様を生産していないので、これが本当の限界。米国のディーラーからは「なぜもっと造ってくれないんだ」という話を延々とされている。ただ、自分では本当によく考えて投資をしていると思っている。2、3年前に決定したことなので、逆に(生産能力が)余ってしまったら大変だった。

米国では16年末にあと11万台分の生産能力を増やす。ただ、今の車種だけではあまりにリスクが大きいので、「インプレッサ」もつくることになる。車にはモデルサイクルがあるので、売れている状態が何年も続くのは難しい。”柔軟性”が必要だ。

米国のディーラーにいつも伝えていること

つまり、この計画はインプレッサという車の開発と結びついており、前倒しができない。工場だけの話ならば要望に応じて検討できるのだが、ここが今の製造部門のつらいところ。少しでも生産能力を上げられないか、米国工場で必死に考えてくれている。ただこれまで何度も引き上げてきているので、簡単ではない。

――ディーラーからのプレッシャーが強くても会社は傾きません。だが、過剰設備や余剰在庫を抱えてしまうと、自動車メーカーはあっという間に傾きます。

生産能力に関しては慎重に考えるべきです。工場というのは一度構えたら、後でそう簡単に変動させられない。レイオフ(人員削減)などという事態になったら大変なことになる。

米国でうまくいっているのは、供給が需要を上回っていないからだと思う。いくらマーケティングがうまくいっても、ディーラーに在庫の山ができたらインセンティブ(販売奨励金)をつけるしかなくなる。今のスバルは1台あたりのインセンティブが1000ドルを切っているが、業界平均の2000ドル以上なんてつけるわけにはいかない。米国のディーラーの「足りない」という声はよく分かるが、そうしたことをいつも伝えている。

”人類初”のチャレンジはできない

―米国工場では、資本提携先であるトヨタ自動車の「カムリ」の受託生産が16年末に終了します。今後のトヨタとの関係は。

この関係はとても大事だ。提携の中身は生産を中心としたものから、商品や技術を中心に軸足が移ってきている。私はそれが正しい方向だと考えているし、トヨタの豊田章男社長もそうだと思っている。

トヨタからしてみれば生産を委託できる会社はいくらでもある。そこにわれわれでなければダメだという必然性はない。当社の特質から考えると、トヨタ側からの魅力は商品や技術にある。トヨタと共同開発した「86/BRZ」はうまくいっている。トヨタは水平対向エンジンのスポーツカーを造れないので、われわれが貢献できる。

逆に当社の弱点は、成長したといってもまだまだ小ぶりなので、単独で“人類初”のような技術にはチャレンジできない。ハイブリッドや燃料電池車は、今後の環境重視の時代を生き抜くためのキーワードだ。巨額の研究費がかかる技術の情報を手に入れる道だけはきちんと持っていないといけない。将来、気が付いたら負けていたという事態は避けたい。

12年に発売した当社初のハイブリッド車「XVハイブリッド」はトヨタに教えてもらいながら造った。今後発売を予定しているプラグインハイブリッド車も、トヨタの協力を仰ぎながら開発を始めている。

スバルがスバルであるために

「よそと同じことをしたくないという思いが車作りに表れている」と吉永社長は自信を持って語った
――世界の競争環境を考えると「小粒でもぴりりと辛い」存在であり続けられますか。どこかのタイミングで、トヨタの傘下に入らざるを得ない、ということはないでしょうか?

トヨタからの出資比率は16.5%だが、お互いに今のままでいましょうということで合意している。私が思っているのは、富士重工業という会社は自立しているから魅力的な部分があるということ。そうでないと、スバルがスバルでなくなってしまうんじゃないかな。

販売やマーケティングでも難しいでしょう。入社した時からリーダーのマーケティングを勉強している人と、ニッチャーのマーケティングを考えている人は何十年も差があるから、全然違う。

負けず嫌いだったり、反骨精神だったり、よそと同じことはしたくないという思いがわれわれの車作りにも表れていて、そこに多くのファンの方々がついてきてくれている。その“意地”を失くすと、トヨタにとっても(スバルは)魅力的な会社ではなくなってしまうでしょう。

(あるぢゃが誤記修正)
http://toyokeizai.net/articles/-/56562
-----転載終了-----

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