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ローレライ、なるほど。(ネタバレ無し)

「あずみ」を見た、しかもTVで(笑)で、日本映画をちょっと見直し、早速、ローレライ(LORELEI)監督:樋口真嗣・原作:福井晴敏を、「たった今」見て来ました。

従来の「日本の戦争映画」の様な、重たく辛い印象を持って出かけたのですが、スッパリと裏切られました。それも良い意味で(笑) 厳密に戦争映画と言ったら、そうではなくて、むしろ「SF映画」に近いかもしれませんね。間が抜ける事も無く、一気に駆け抜ける様な構成と演出、かの庵野秀明監督が演出されたという戦闘シーン等々。いろいろな要素が実にバランスよく詰め込まれていました。そして、大感動している訳ではないんですが、不思議と涙が出ていたりと・・・まあ、作品にすっかり取り込まれていたんでしょうね。観賞した後の感想は、「一陣の風が吹き抜けた様な印象」です。「愛する人を守りたい」なんて、重たいテーマでプロモーションされていますが、実際にはそれほどの重さは無く、でも、そんな「重く、暗くなりがちなテーマ」を、そっと観客の心に刻み込んで行く様な、不思議な仕上がりになっています。そこが「一陣の風」と表現させて頂いた部分です。この部分はかの私の中での名作、『Uボート』にも通じる物があります。こちらは「生き抜く」ことがテーマで、残して行ったものは重く、暗かったですが(笑) 

この樋口真嗣監督の経歴をちょっと調べてみましたら、ああ、なるほどと思える方なんですね。私が好きな映画の『王立宇宙軍~オネアミスの翼~』や、『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』にも参加されてた様で、庵野監督との関係も何となく解ったりしました。スタッフロールを見ていると、かの機動戦士ガンダムの富野由悠季氏が出演されてたり、水密服デザインでは出渕裕氏、B29のマークのデザインに押井守氏など・・・っと、考えてみると、アニメ界や特撮映画界で名を馳せている方々が続々と・・・ああ、そういうことだったのか・・・・旧来の日本映画のスタッフというより、こういった方々の参加や関係といったものが、この作品をこんな感じの仕上がりにしているのかもしれません。日本映画の作り手側の世代交代が進んでいるのでしょう。故に共感できる所も多かったりするのでしょうね。

ただ、一点だけ不満と言えば不満な部分が・・・(いつもの文句タレが来たぞー、覚悟しろよー(笑)) この戦闘シーンのCGなんですが、もう少し、何とかならんかったかなぁと。それなりのレベルには達しているとは思うのですが、やはり、ILM (Industrial Light & Magic)の仕事と比べてしまうと、プラモデル感が抜けてませんね。モデルやカメラワークのスピード感はとても良いのですが、色彩設計とか表面の素材設定、そして何よりもライティングとカメラの被写界深度の設定等々が、今ひとつな印象がありました。CGIはこの映画にはどんな表現が適切なのか、もっとしっかりと研究し詰めるべきでしたね。この部分のリアリティがしっかり作り込まれていれば、更に良い作品になっていたと思えるだけに、とても残念な所です。まあ、作品全体から見れば些細な事なんですけど。

私はこの作品の原作はまだ目を通していないんですが、今更読んでる『指輪物語』を読了したら、読んでみようかと思ってます。原作の有る映画の宿命で、原作ファンにとって、時に「鼻持ちならない作品」に仕上がってる事もあるんで、ここでの感想はそのあたりをご理解頂ければと思います。

しかし、良いもの見させて貰いました・・・って、アニメ以外の日本映画を映画館で見たのは・・・あれれ? ウン十年以上無かったかもです。最後に見た映画すら忘れてます・・・あ、もしかしたら「日本沈没」?

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございましたm(_ _)m

ま、CGもストーリーもやや不満な部分はあったのですが、
役所さんはどんな役もこなしてしまういい役者さんになりましたねぇ^^
安心してみていられる役者さんの一人ですねぇ!
また、時々お邪魔させて下さい。

投稿: cyaz | 2005/03/19 10:34

コメントとトラックバックを有り難うございました。役者さんの演技は、まったく申し分無かったですね(^^)。率直に良い映画だったと思います。私は日本映画をまた少し見直しました(笑)

投稿: Algernon | 2005/03/19 11:09

TB&コメントありがとうございました。
本当にワタクシと似たような意見ですね。
ワタクシは思ったことを適当に書いただけなのですけど、Algernonさんは色々掘り下げていて素晴らしいですね。
なかなか勉強になりました。

投稿: トチオ | 2005/03/19 23:48

トチオさん、コメントとTBを有り難うございます。
この作品は、戦争映画とはこう有るべきと考えている方、またはハードでタイトな戦争映画を期待して見に行かれた方(戦争映画ファン)の方々には、かなりの酷評となっている様で(^^;)

私も戦争映画は嫌いではなく、プライベート・ライアンやフルメタル・パニッ・・もとい、フルメタル・ジャケット等、話題に上がっているものは、大方目を通しているつもりです。故に、従来の戦争映画とは違うアプローチなのにも関わらず、同様なメッセージ性を持っているこの映画に、些か驚いていると言う訳でして(^^;) 個人的にはこの点を高く評価しています。

時代が変わり、人が変わる中で、作品が観客に伝えたいメッセージをどう伝えて行くか。硝煙と血の臭いのする戦場の悲惨さを描く事だけが、メッセージを伝える唯一の手段だと考える事自体、時代遅れなのかもしれません。まあ、従来の表現方法は圧倒的な力がありますが、ローレライの様なアプローチもアリだと思います。

投稿: Algernon | 2005/03/20 11:27

当方とのTBありがとうございました。
公開されて1ヶ月近くが経とうとしていたのに、私もストーリーを「日本の戦争映画」というリアリティのあるものだと勘違いしたまま観にいってしまい、期待を裏切られたクチです。それも良い意味で(笑。
純粋に楽しめました。
ご指摘のあのプラモデル感も、この映画の場合はアリなのかな、と(苦笑。
かえって「らしい」感じが特有の味わいのように思えてしまいました。

投稿: Azumi | 2005/04/04 02:58

Azumiさん
コメントとトラックバックを有り難うございます。こうした新しい風が吹き込む事で、日本映画全体がいい方向に行けばいいんですか。確かにプラモデル感に関しては、方法が変わっても日本の映画の伝統芸を見せてもらった感じはしますね(笑)。でも、そんな事を差っ引いてもいい映画でした(^^)

投稿: Algernon | 2005/04/05 07:52

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