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Vits(ヴィッツ)、トヨタだから出来ること

初めて、このVits(ヴィッツ)という車を見た時「コンパクトカーの潮流が変わるのではないか」と感じた。それまでのコンパクトカーは、どこか「ついで」という、メーカー側のやる気の無さと、コストダウンの固まりの様な印象が拭えず、好きになれなかった。ところが、このVitsという車は、小さいながらもしっかりと作られており、また、デザインに関しても、無理に大きく見せようとしていたそれまでの潮流とは全く違う「小ささを主張する固まり感があるデザイン」で、とても高品位な印象を受けたものだ。正直、初代のVitsが、発売後6年経過していたとはとても信じられない。後発のホンダフィットや、日産マーチと比較しても、殆ど色あせていない。国内でのコンパクトカーの新しい潮流の先駆けの車であるが故の力なのか、いや、決してそれだけではないだろう。やはりデザインの完成度が高かったのだと思う。短期決戦を得意とし、色々な意味でノンポリと揶揄する人も多いトヨタではあるが、こうしたデザインもきちんと出来るという所は流石と思える。

TOYOTA Vits(ヴィッツ)フルモデルチェンジ

今回のフルモデルチャンジでは、プラットホームの変更等も行われたが、ハード的な部分ではなく、やはりデザイン的視点で見てみようと思う。今回のモデルチェンジは、初代のモデルの印象を踏襲しながら、近年のカーデザインのトレンドと、主力のマーケットとなろう、欧州を意識したものの様だ。バンパー下からグリル、フードにかけての今回のデザインの中で最も印象的なラインは、アヴェンシスを思わせるものがある。力強さを感じる線であるし、また、且つVitsであることも解る。実に解り易い。横、後ろに関しても、初代からの固まり感を演出しながら、新しい試みが行われている事が一目で分かる。特にサイドのグラスエリアのラインは、この車の躍動感を演出する意味で大変美しいものである。国内での潮流を作った車だからこそ出来た事、正常進化。また、それがフルモデルチェンジで許される車は国内では数少ない。また、この車はその数少ない車のひとつにたった1代にして登りつめた。

内装も、視認性が良いとされるセンターメーターを採用し、その下に銀のベゼルを配した空調等のコントロール部、ツボを押さえた小物入れの位置、ダッシュボードの上部のティッシュの箱がそのまま入ってしまうなんていうびっくり装備もある。この辺は、トヨタのお家芸とも言えるだろう。良く考えられている。あれ?助手席エアバックの設定は有ったのかな?

そして、もう一つ、重要な点がある。ここのページを見てもらいたい。トヨタでは自社の車のユニバーサルデザインを、自社で独自の規格を設定し、その車の得点を開示している。この車は及第点という感じではあるが、実に意欲的な試みである。高齢化が進むにつれて、ユニバーサルデザインは重みを増してくることは間違いないのだが、良いも悪いもこうした点を開示するという点において、強い意気込みを感じる事ができる。少なくとも他社でこの様な情報が開示されているのは見た事が無い。私の好きなスバルは、このトヨタの社内規格ではどれくらいの得点が取れるのだろうか? ただし、この得点と、車の楽しさやデザインの美しさが必ずしも一致する訳ではない。ユニバーサルデザインを重視したと言われるRAUM(ラウム)は、それを追求した故に、トヨタ車の中でも極めて特殊な車になってしまっている。ここには奇妙な矛盾が存在する。
ただ、Vitsのユニバーサルデザインのページのサブウインドであるが、窓を単純に分割しただけと思えるが・・・だったら、ドアミラーの前にある黒い部分を窓にすることは出来なかったのだろうか? という突っ込みは無くはない。内装を見る限り無理っぽいが(笑)

ただ、どうしても解らないのが、この車の公表されているターゲットユーザーとして「ミニバンを卒業した比較的高齢の方々」と「若者」という部分である。どうもこの部分はデザイン上、両立するとは思えない。若者をターゲットとしたとされる「RS」を見ても、他のモデルと大きな差別化が行われている訳ではなく、また、そうした演出も不十分な様に思える。「RS」というグレード名から来る印象に、「車が負けてしまっている」のだ。それと、これは私見であるが、視認性が高いと言われるセンターメーターだが「乗って楽しい車=ドライバーファースト」と考えるなら、このRSに関して言えば、相反するものの様に感じられる。こうした商品企画の「緩さ」、良く言えば「柔軟性」が、この車の購買層を拡げる事に一役買っていそうではある。よく「買う人の顔が浮かばない商品は売れない」と言われるが、トヨタの車に関して言えばユーザ−が見えないのでは無い。誰が乗ってもどうにかなる余地が残されているのだ。ここのさじ加減は本当に見事と言える。

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コメント

今、私はダイハツのYRVとプラッツの2台を使って色々と感じるところが有ります。
(何故2台使ってるかは省略)
新型ヴィッツに関しては、何処が如何・・って程見てないので何ともですが(^^;

YRVは5年目かな・・四駆でターボでオートマですが、乗り換え前がムーブSR-Xでしたので、このチョイスは何となく理解できるでしょうか(^^;

さて、カテゴリー的に1300ターボなYRVは勿論コンパクトカーな訳ですが、トヨタとしては希少なコンパクトカージャンルを改革したヴィッツはマジにデザインが好きで(なんかベンツのパクリっぽいのは抜きにして)、YRVに乗り換える時に比較してました。結局、諸事情でダイハツ続投という事に成りましたが、そのダイハツもトヨタ傘下なので、YRV辺りの車はもう自由が無さそうです。

YRVはさて置き、話はプラッツ。ヴィッツでは有りませんが、センターメーター類や車体の作りの面では姉妹車的な車だと思います。
1500のエンジンは低回転型ターボ1300のYRVより自然にトルクが太く、一見大きそうな車体を軽く感じさせる余裕が有る。
サスペンション、オートマチックミッション、内装、品格(^^;、どれをとっても快適をキーワードにするとYRVより上質なのは言うまでも無いかもしれませんが、トヨタらしい作りです。

乗り比べて走りが軽いってのはYRVユーザーとしては悔しいですが(笑)、その差は何処から生じるのかを考えてみると、軽く設定されているパワステは操作量も小さく、切り替えしの多いシティーユースでは「小回りが効く」って印象が実感できます。(最小回転半径はYRVの方が小さい筈だけど)
それにプラスして、静粛性とまめに働きショックの少ないミッション。世代は若干違うからYRVに可愛そうだけど、乗用車としての快適さは歴然。

ユニバーサルデザインにとして紹介されてる項目はプラッツにもほぼ当て嵌まりますが、その点に関しては余り好印象は無い。
ヒップポイントの確保で車高は増し、実際の寸法より大きく見えてしまうのはコンパクトカーとしては如何かとも思うけど、身長の高い自分でも不自由は無いのだから、正解とも言える。
当たり前だけど、屋根が高くなると洗車は大変。
センターメーターは正面視認性は上がるが、サイドポケットに蓋を付けるのは止めましょう。膝が触れてしまうので、意図しない時に蓋が開いて困ります(苦笑)。
死角の少ない窓は、ユバーサルデザイン以前の問題だと思う。デザイン優先で傾斜の大きいフロントウインドウの車種は相対的に視認性は悪いし、直射の影響も大きいから・・

でもヴィッツはそういう今の車の問題点を反映させてるだろうから、乗れば多分印象は違う筈。
乗用車作りに長けているトヨタだから、突飛な事はしない代わりに快適さは常にレベルは高いと信じています(^^;

個人的にはマーチやキューブの方が今は好みだけど、反面日産系は付き合いが無いから不安。

投稿: ひで(英) | 2005/02/05 08:22

ひで(英)さん、熱いコメントを有り難うございます。

ダイハツは最近、特にトヨタの影響力が強くなってきたのか、トヨタ式のマーケティングを採用しているのか、色々な新しい試みをしていますね。最近、元気なメーカーっていう印象があります。

ユニバーサルデザイン(以下,UD)に関して言えば、簡単に言ってしまえば、始めから作り込む時に、誰でも簡単にミスが少なく使えるもの、そういった概念です。この事を実現する為にノースカロライナ州立大学(米)ロナルド・メイス氏が提唱した7つの原則が有ります(興味があったら調べてみてください) 物や環境、そしてそれを使う人によって発生する「バリア」を無くす方向で考える「バリアフリー」とは根本的に思想が違います。言わば、物を使う側に立ったデザインを設計の段階で始めから作り込むのがUDという訳でして、ここには見栄え、そのモノを見たときの好感度と言った従来のデザイン的な要素と相反する部分も存在します。また、普段は気がつかない部分にも存在します。つまり従来の人の感性に訴える「デザイン的」な考え方と同じ土俵に乗らないデザインとも言える訳です。しかしながら、車のデザインは、機能面も無くはないですが、人の感性に訴えることや、プロダクトの性質や機能を見せるためという目的や、ブランドといった「商品の差別化」を生むという重要な目的もありますので、UDとのバランスはとても難しいでしょうね。故に車全体のパッケージを考えた時に、趣味性の高い車と、実用車ではUDの重要度は微妙に変わって来るでしょう。引き合いに出した「ラウム」はトヨタの中で、UDを強く意識した車であるが故に、一般市場のニーズとの乖離が発生してしまい、ここに有る意味での「バリア」を作ってしまったモデルな訳です。UD的には良く出来ている車なんですが、皮肉な話です。

今回のVitsも、恐らく沢山売れるでしょう。また、この流れはプラッツや、ファンカーゴなんかの商品企画にも反映されて行く事は間違いないですので、デザイン的視点で見ても、商品企画という視点で見ても、とても興味深い事になるのではと考えています。

投稿: Algernon | 2005/02/05 23:33

こんにちは、初めまして。春日はるひと申します。

初代Vitz、中古で購入してそろそろ1年経ちますがまだまだ十分に楽しいクルマです。

>ユニバーサルデザイン
得点の開示とは、またずいぶんと思い切った事をやったなぁと思っています。
これは、快適性を求める方には十分に参考になるんじゃないでしょうか?

>Vitzのターゲット
私は、初代Vitzも「RS」の存在感がいまひとつと感じています。
「Vitzで1番大きいエンジンのヤツをくれ」と言ってRSを購入した高齢の方や主婦の方もたくさんいたようですね。

ただ、これは「AT」の設定もあったから。

今度のRSはMTしか設定が無い。
この設定のおかげで「存在感」は多少はあるような気もしてますが正直、失敗じゃないかなぁという思いも。
MTしかないのでは最近の主婦は絶対に敬遠します。
かといって1000CCでは不満。
じゃあやめた、と他へ行ってしまいます。

たぶん後出しするんじゃないかという気もしてますが。

なんにせよ、今回も褒め言葉が乱立しているVitz。
初代に負けないぐらいがんばってもらいたいものです。
私はまだまだ初代に乗り続けますが、好きなので。

それでは。

投稿: 春日はるひ | 2005/02/17 17:23

春日さん、熱いコメントを有り難うございます。
Vitsという車は、なんだかんだ言っても日本に本当の意味で「コンパクトカーを根付かせた車」だと感じています。この車が有ったからこそ、後発の他社の車の高いクオリティや、また、それぞれの独自性と言ったものも出て来ているんですね、
このユニバーサルデザインに関しても、自ら真面目に取り組んでいないと、とても開示できる物ではありません。また、この取り組みは、高齢化が進む日本国内はもとより、世界市場を睨んでいく上でも、強みとなって来るでしょう。
大きなシェアも有るから、色々な事に挑戦できる。ここはトヨタの強みですが、それ以上に、このメーカーは国内の自動車メーカーのトップとして「次に何をするべきか」という部分を、しっかりと自覚されている。こういう点でのモノ作りの思想は他のメーカーとは根本的に異なっています。それ故のヴィッツであり、プリウスであり、またラウムである訳です。
それに加えて超一流のマーケティング力ですからね。ここを考えると国内2位、3位のメーカーでも、そう簡単に真似の出来る事ではないでしょう。

投稿: Algernon | 2005/02/18 00:19

はじめまして。vitsfで検索して到着しました。先日、新型ヴィッツ購入しました。ティッシュケースがそのままはいるなんて知りませんでした。まだまだペーパードライバーなのでこれから練習です…。なのに新車かってしまってよかったんだろうか?とも思いますが、何はともあれ運転してヴィッツの良さを感じたいです。では。

投稿: sachi | 2005/06/27 22:06

sachi様
私の稚拙な記事に、コメントを有り難うございます。新しい車が届くって、何処か新しい未来を手にした感じがして、ワクワクしますよね(^^) ペーパードライバーでも新車はオケイです。車と一緒に色々な体験ができますし、何より、大事な車をぶつけてはイケナイので、安全運転にも一役買いそうです(^_^)b'
新しいVitsと一緒に、楽しいカーライフがおくれます様に、心からお祈りしております。

投稿: Algernon | 2005/06/27 22:55

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