« シティコミューターとしてのSUBARU R1 | トップページ | Amazonの無責任な在庫管理 »

ファンが「ハウル」に不満を持つ理由

 やっぱり出ました。正に予想通りのニュース。

盛り上がりに欠ける「ハウル」(夕刊フジ発 Yhaoo!配信)

 ただ、ここに掲載されてる映画評論家の白井佳夫氏の評論は、どこかピントが来ていない。前作、前々作の好評で、宮崎ブランドが完全に確立され、受け手側の宮崎作品に対しての期待とか、ファン自身が自己の中で組み立てる印象と言ったものが一人歩きしているのがもう一つの側面である事を見逃している。こうじゃなきゃいけない・・・そういうファン心理だ。
 ただ、エンターテインメントとして、こうしたファンの期待を裏切ってはいけないという視点もある。まあ、ゲスな言い方をしてしまえば、ファンサービス、または媚びをうるといった側面だ。前回の感想にも書かせてもらったが、その点から言えば、この作品は失敗作であるとも言える。
 視点として重要な部分は、宮崎監督自身が飽和点に達したのではない、受け手側が、宮崎監督に対して「重すぎる荷物を背負わせすぎた」のだ。宮崎作品を「絶対外れないディズニー映画」と同一視してはいけない。要はその点を、勘違いしている(してしまった?)ファンが多過ぎたという事だろう。日本テレビ、博報堂を始めとした、宮崎監督作品で飯を食おうとしている多くの人達の思惑が「作品自体が本来持っている器」以上の期待を煽っていたという事実も忘れてはならない。

 作りの不親切さは確かにある。ただ、この作品の本来のテーマは、表面的に現れている物だけではない。「紅の豚」を見て何を感じたか。男女差や年齢によって、この作品に対する感想が大きく異なるのと同じことだ。

 ただ、もっと深刻な事がある。巨匠と奉られてしまった監督の引きどころ、そして、その後継者の問題だ。ここは、日本の映画界としては、危機的状況であるとも言える。ある意味、世の中にアニメーション映画を芸術の域まで認知させてくれた宮崎監督の後をだれが引っ張って行くのか。今の所、宮崎監督を越える逸材は・・・好きな映画を作っている(爆笑) 後継ぎ最有力候補の近藤喜文監督が亡くなられた事が、本当の意味で悔やまれる所だ。

追記:私がこの映画を見た感想は以下の記事をご覧下さい。
過去の記事:「ハウルの動く城」を見て来ました

|

« シティコミューターとしてのSUBARU R1 | トップページ | Amazonの無責任な在庫管理 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

私、宮崎アニメ全てが好きなわけじゃないので、「ハウル」も特に期待があるわけでもなかったんですが。
それで普通に楽しめたのかなぁ…

そういえば別件で噂の「イノセンス」を見たんだけど、やっぱり、芸術的で 且つ 皆が映画として楽しめる作品創るってのは難しいんだなぁ、と思いました。(^^;

投稿: 濱口よしたか | 2004/12/26 15:04

まさに、エンターテインメントと、芸術作品としての両方の側面を上手くバランスさせることは、映画監督にとっては最大の悩みどころでしょうね。いくら芸術性が高くても、楽しめなければ映画ではありませんし、そうなるともちろん興行収入には繋がらない。見てもらえない映画というのは、商業的な価値は全く無い訳です。でも実際、人は映画に対して+αを求め、スクリーンの前に座る。こうした人達を置いていく様な芸術性、または期待を裏切るというのは、有る意味、監督の独りよがりに過ぎないとも言える訳です。

押井監督のイノセンスに関しては、まだ見ていないでなんともコメントできませんが、今までの作品を見た限りですと、押井ワールドが押さえられた作品は面白い、逆に前面に出ている作品はあまり楽しめない。そういう印象があります。この部分のさじ加減がコントロールできるような感覚をもう少し持って頂ければ、素晴らしい作品がつくれる方と考えています。芸術性という意味では本当に素晴らしい才能をお持ちだと感じていますので。

投稿: Algernon | 2004/12/26 15:47

初めまして、弓木といいます。
僕もゆうべ「フジ」の記事を寝る前に見ました。で朝起きて、何故だか突然、『ハウル』の真意がわかったような気になりました。それは宮崎監督は、あの作品を一種の「遺書」としてつくったのではないか…ということです。これ、ウチの記事にしてみたので、よろしければご覧ください。

あと日本アニメに関しては、『うる星2/ビューティフル・ドリーマー』以降は同じコトばっか繰り返してる押井守よりも、『千年女優』今敏や、OVA版『ジャイアント・ロボ』今川泰宏の方がずっと上だと思いますよ。

投稿: 弓木 | 2004/12/26 21:16

私の稚拙な記事へのコメント、有り難うございます。
感想の根底を流れているテーマと表現させて頂いていた部分に関してですが、後だしジャンケン(苦笑)の様に言ってしまうと、私自身も弓木様のご意見と全く同じものを感じていました。この視点でこの映画を見てみると、一見バラバラに見えるパズルがきっちりと収まるんですね。ここに気づけるかどうかで、この作品への評価が大きく変わってくるのではないかと思っています。まず、子供には無理でしょう。また、表面を流れるエンターテインメント的な要素に引っ張られてしまうと、本質が見えなくなる。そんな作品と感じています。
オススメの千年女優は、いまだ見る機会に恵まれず、まだ拝見しておりません。良い作品と聞いておりますので、是非拝見したいと考えております。ジャイアントロボも初めの一本を見ただけで、その後が追いかけられてません。まだまだ勉強不足です。はい(^^;)

投稿: Algernon | 2004/12/26 22:30

TBありがとうございました。

僕が言いたかったこと、すごく上手に書いてあるので、びっくりしました。文章力が違うとこんなにも分かりやすいのか、と。

これからも僕の言いたいことどんどん書いてください(笑)。
またちょくちょく寄らせていただきます。

投稿: コイッチ | 2005/01/16 12:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/32843/2378700

この記事へのトラックバック一覧です: ファンが「ハウル」に不満を持つ理由:

» 「ハウルの動く城」盛り上がりイマイチ [退屈な30代が見るサイト]
久々に映画館に行きました。六本木ヒルズの指定席、思い切って3000円払ってでした。細かいところをちょこちょこ批判するのは誰にでもできるのでですが、あれだけの大作... [続きを読む]

受信: 2004/12/27 10:28

« シティコミューターとしてのSUBARU R1 | トップページ | Amazonの無責任な在庫管理 »